本の森/音の海

本と音楽についてのノート

ドーナル・ラニー「クールフィン」

 

ドーナル・ラニー・クールフィン

ドーナル・ラニー・クールフィン

 

 アイリッシュ・トラッド界の重鎮、ドーナル・ラニーによる、ソロ名義としては唯一のアルバム。購入した当初はあまりピンとこなかったけど、先日ふと思い立って聴き返してみたら、いやはや素晴らしいアルバムではないですか。最近では通勤音楽として手放せない存在となった。

かつてピンとこなかったのは、おそらくコンテンポラリーな要素があまりにも自然に盛り込まれていて、スムーズな聴き心地となっていたので、当時の自分にはひっかかりを感じることがなかったからだろう。そして、そのピンとこなかった理由が今ではくるりと反転して、大きな長所として感じられる。

エディ・リーダーをはじめとするゲスト・ヴォーカル陣も魅力的だし、インスト・ナンバーとのバランスもよい。伝統と現代的な要素が溶け合った傑作。