本の森/音の海

本と音楽についてのノート

マイベスト平凡社ライブラリー:林達夫・久野収「思想のドラマトゥルギー」他

思想のドラマトゥルギー (平凡社ライブラリー) 作者: 林達夫,久野収 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 1993/06/21 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 68回 この商品を含むブログ (24件) を見る 想像以上に懐が深いラインアップだな・・・この記事を書くた…

マイベスト講談社文芸文庫:塚本邦雄「王朝百首」・「百句燦燦」

王朝百首 (講談社文芸文庫) 作者: 塚本邦雄 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2009/07/10 メディア: 文庫 クリック: 18回 この商品を含むブログ (6件) を見る 百句燦燦 現代俳諧頌 (講談社文芸文庫 つE 2) 作者: 塚本邦雄 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2…

2019上半期:印象に残った10冊

はてなブログの今週のお題「2019年上半期」にのって、印象に残った本を振り返ってみる。上半期に出会った本で、このブログで取り上げたくてそのままになっているのは色々あるのだけど、少しずつ書いていくようにしたい。 ※ランキングは読み終えた順 1)片山…

羽生善治「上達するヒント」

上達するヒント (最強将棋レクチャーブックス(3)) 作者: 羽生善治 出版社/メーカー: 浅川書房 発売日: 2005/01/31 メディア: 単行本 購入: 4人 クリック: 49回 この商品を含むブログ (28件) を見る 先日、歴代最多勝となる1434勝を達成した羽生九段。将…

石川淳「天門」(4)

幼少期の罪の意識に囚われ続けていた遠矢東吉を解放したのは、幼馴染だった房子との一夜の愛だった・・・とまとめてしまうと陳腐なロマンスに見えてしまうだろうか。 しかし、ここで描かれた救済は「本来の自己を取り戻す」とか「魂が成長する」ものとは似て…

石川淳「天門」(3)

青年弁護士の遠矢東吉は、幼少のころ犯した罪の意識を背負いながら日々を過ごしている。5歳のころ、盗み癖のやまなかった東吉を諫めた後、縊死をとげた祖母の足に抱きついたのが、かえってその死を早めてしまったのではないかという思いが、形見として残さ…

石川淳「天門」(2)

石川淳は、かつて朝日新聞に連載した文芸時評の中で、吉田健一の長編「絵空ごと」を取り上げて、 ここに至つて、わたしはどうも新版の桃花源記を読まされたのではないかとおもつた。いにしへの桃源は人間が無為孤独にして自然の中に見つけるものであつたが、…

石川淳「天門」(1)

天門 作者: 石川淳 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 1985/12 メディア: 単行本 クリック: 6回 この商品を含むブログ (1件) を見る 石川淳が完結させた最後の長編。連載完結が1985年だから、実に86歳のときの作品。この後エッセイ集「夷斎風雅」を挟ん…

5月の文庫新刊チェック

来月刊行予定の文庫から気になるものを抜き出してみた。出版社の順番は五十音順。 文庫発売日一覧 | ほんのひきだし 岩波文庫 「三島由紀夫スポーツ論集」がちょっと気になる。井筒俊彦が立て続けに文庫化されているのはうれしいけど、いつ読めることやら。 …

郡司ペギオ幸夫「天然知能」(2)

なにごとのおはしますかは知らねども かたじけなさに涙こぼるる 西行 天然知能 (講談社選書メチエ) 作者: 郡司ペギオ幸夫 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/01/12 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 当初は各省ごとにまとめ…

3月の読書

月の後半から仕事が忙しくなってきたので更新が滞ってますが、面白い本にはいろいろ出会ってるので、なるべく記録として残しておきたいですね。 「天然知能」はもうすぐ読了。 先月の読書メーター 読んだ本の数:9冊 読んだページ数:2700ページ ナイス数:0…

郡司ペギオ幸夫「天然知能」(1)

天然知能 (講談社選書メチエ) 作者: 郡司ペギオ幸夫 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/01/12 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る この本に養老孟司さんが寄せた推薦コメントには、「一見やさしく書かれていますが、バカにし…

佐々木閑「大乗仏教 ブッダの教えはどこへ向かうのか」

大乗仏教―ブッダの教えはどこへ向かうのか (NHK出版新書 572) 作者: 佐々木閑 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2019/01/10 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る いやあ、面白かった。大乗仏教についてこんなに明快に解説した本はこれまで読んだこと…

安部公房「箱男」

箱男 (新潮文庫) 作者: 安部公房 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2005/05 メディア: 文庫 購入: 12人 クリック: 69回 この商品を含むブログ (226件) を見る 前作「燃えつきた地図」の主人公は物語の最後に名前を失い、失踪者となった。 そして「箱男」の語…

片山杜秀「歴史という教養」

歴史という教養 (河出新書) 作者: 片山杜秀 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2019/01/26 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 止むことのない精神の運動としての「温故知新主義」 このところ片山杜秀の著書が立て続けに刊行されています。平成…